日本畜産学会報
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一般論文(原著)
乾乳牛へのペレット状グリセリン給与が分娩前後の栄養代謝状態および分娩後の疾病発生や乳量,繁殖機能回復へ及ぼす影響
川島 千帆近藤 萌里長谷川 類畔上 正晴大井 樹里澁谷 俊樹杉本 優香山岸 則夫
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2021 年 92 巻 2 号 p. 159-168

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抄録

乾乳牛へのペレット状グリセリン給与が分娩前後の栄養代謝状態と分娩後の疾病発生や生産性へ及ぼす影響を調査した.分娩予定3週前から分娩までグリセリン80g含有ペレット(Gly,20頭)またはプラセボペレット(Cnt,21頭)を毎日給与した.Cntのルーメンフィルスコアは分娩前に低下したが(P<0.05),Glyで変化せず,分娩前の血中β-ヒドロキシ酪酸(BHBA)濃度はGlyで低かった(P<0.05).分娩前後のボディコンディションスコア(BCS)はGlyで高かった(前;P<0.05,後;P=0.06).ケトーシス発症頭数に差はないが治療牛の血中BHBA濃度はGlyで低い傾向にあった(P=0.07).以上より,分娩予定3週前からのグリセリンペレット給与は給与中の採食量を一定に保ち脂質代謝を改善させ,分娩前後のBCSの適切な維持やケトーシスの症状を緩和させる可能性が示された.

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