日本畜産学会報
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一般論文(原著)
一般消費者および調理従事者を対象としたアンケートによる肉料理の「こく」の認識に関係する味覚表現用語の推定
渡邊 源哉本山 三知代中島 郁世佐々木 啓介
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2021 年 92 巻 2 号 p. 169-180

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抄録

「こく」は様々な感覚の複合的な知覚により認識されるが,食肉において「こく」の認知に関係する感覚を研究した事例はない.本研究ではWebアンケートを行い,肉料理の「こく」の認識に関係する味覚表現用語を推定した.まず,一般消費者300名および調理従事者100名に43種の肉料理について「こくがあった方が良い」か「こくがなくても良い」かを回答させた.次に,一般消費者500名および調理従事者200名に対し,「こくがあった方が良い」と判定された9種の肉料理それぞれを喫食した際の感覚としてあてはまると思う味覚表現用語を38語からすべて選択させ,各用語が各料理において選択される確率を推定した.これを主成分分析に供した結果,一般消費者および調理従事者の肉料理の「こく」の認識に「甘味」や「味の持続性」および「濃さ」を表現する用語,「醤油味」,「脂肪味」および「うま味」が関係すると推定された.

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