2022 年 93 巻 2 号 p. 125-132
牛枝肉の肉質を客観的に評価する方法として画像解析技術が注目されている.本研究では,ミラー型撮影装置の欠点を補うべく(一社)ミート・イメージ ジャパン(MIJ)により開発された新しい牛枝肉カメラの画像解析精度を検討した.北海道内の枝肉市場に上場された黒毛和種の牛枝肉横断面をミラー型撮影装置,MIJ-15,MIJ mobileおよびMIJ mobile with BEAKを用いて撮影した.ミラー型撮影装置および新しい牛枝肉カメラにより得られたロース芯面積,脂肪面積割合およびあらさ指数の相関は高かった.また,MIJ mobileおよびMIJ mobile with BEAKにおいてロース芯自動輪郭抽出(自動抽出)は,ロース芯手動輪郭抽出(手動抽出)とほぼ同程度に評価できることが示された.MIJ-15においては自動抽出の精度が高くなかったため人工知能への学習を増やす必要がある.BMS判定において手動抽出および自動抽出間に精度の差はなかった.また,MIJ-15およびMIJ mobile with BEAKにおいてはBMS差(画像BMS-格付BMS)±1以内の割合が約90%であり高い割合でBMS判定が行えることが示唆された.以上より,新しい牛枝肉カメラは自動抽出による画像解析やBMS判定も可能であることから完全自動解析および格付の可能性が示唆された.