2024 年 95 巻 4 号 p. 333-338
乳牛のストレス評価の指標として乳中コルチゾール濃度を利用するために,ホルスタイン種泌乳牛の乳中コルチゾール濃度を継続的に測定し,乳期や飼養管理との関係を調査した.夕方の乳中コルチゾール濃度は1期(分娩後18.0±8.3日)に比べて3期(分娩後80.0±10.2日)が有意に低く(P<0.05),朝の乳中コルチゾール濃度は1期に比べて2期(分娩後48.3±10.7日)以降が有意に低かった(P<0.05).夕方と朝の乳中コルチゾール濃度には相関(r=0.629,P<0.01)が認められたが,夕方および朝の乳中コルチゾール濃度と血中コルチゾール濃度との相関は認められなかった(r=−0.032,r=−0.155).低コルチゾール群と高コルチゾール群の初回発情日数と初回排卵日数に有意差は認められなかった.群変更や削蹄により,乳中コルチゾール濃度は平均値+1 SDを超える個体が確認された.以上から,乳中コルチゾール濃度を乳牛のストレス評価に利用する際には乳期を考慮した評価や適切な基準値の設定が必要と考えられた.