2026 年 97 巻 3 号 p. 145-151
黒毛和種においてトウモロコシサイレージ(CS)を用いたTMR給与がルーメン内リポポリサッカライド(LPS)濃度に及ぼす影響を検討し,あわせて,本給与体系の実用的価値を包括的に評価した.ルーメンカニューレを装着した黒毛和種去勢牛6頭を用い,CS混合割合の異なる2種類のTMR給与区および慣行的な分離給与区を設定し,3×3ラテン方格法による消化試験を実施した.ルーメン内容液pHおよび揮発性脂肪酸濃度に処理区間差は認められなかったが,TMR給与区では分離給与区と比較してルーメン内LPS濃度は一貫して低値を示した.消化率,窒素出納,血液性状などに顕著な差は認められず,CSを用いたTMR給与は全身的な代謝に大きな影響を及ぼさなかった.以上の結果から,CSを用いたTMR給与は,過度なルーメン内容液pHの低下を伴うことなくルーメン内LPS濃度を低値に推移させる実用的な給与体系であることが示された.