日本畜産学会報
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泌乳増進因子の生物化學的研究
第8報 Lactoprolactin中のtryptophaneの微量測定について
岩村 嵒
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1950 年 21 巻 1 号 p. 15-20

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抄録
(1) Lactoprolactinのtryptophane含量の測定にあたり最初vanillin法によつて精製卵albumin,生卵白及び純tryptophane溶液のtryptophaneを定量し,後lactoprolatcinについて測定を行つた。同樣にしてglyoxylic acid法でtryptophaneの定量を行い兩法を比較檢討した。
(2) 精製lactoprolactinのtryptophane含量はglyoxylic acid法で2.56%である。尚定量實施に當りSHAW-MCFARLANE氏法の改變について記述した。
(3) 精製lactoprolactinのtryptophane含量はvanillin法で1.88%である。尚測定實施に當りSTREPKOV-MAVLIANOV氏法とglyoxylic acid法とを比較檢討した。
(4) 卵albumin A及びBはglyoxylic acid法で夫々1.18及び1.22%のtryptophaneを含有する。同法で牛乳は100cc當り69.2mgのtryptophaneを含む。然し卵albumin A及びBはvanillin法でば夫々0.87及び0.94%のtryptophaneを含み又同法で卵白の4層の乾燥分についてtryptophahe含量は1.42~1.50%である。
研究實施に當りては本學部畜産科中廣義雄氏の助力を得た點が多い,こゝに謝意を表する。尚本研究の經費は文部省科學研究費にょつたことを附記する。
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