日本畜産学会報
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紫外線殺菌灯がチーズに及ぼす影響について
金内 稔郎
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1961 年 32 巻 2 号 p. 109-113

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抄録

オゾンを併発する紫外線殺菌灯を使用して,チーズにおける防黴効果と異常風味出現の状態を観察し,この結果に基ずいて,種々実験を行ない,適切な使用条件を知ろうとした.
得られた結果は,次のとおりである.(1) 16h/day照射では,完全にカビ発生が防止されたが,チーズ表層部には脂肪分離現象がみられ,著しい変質風味が出現した.(2) 完全な防黴には,5~7h/day以上の照射を必要とするが,なお異質風味の出現は避けられなかった.(3) 風味変質は,殺菌灯の光線によつても,またオゾンによつても起こり,チーズ脂肪の酸化に最も関連性があるものと考えられた.(4) 変質風味の防止と防黴を同時に清足する適切な条件を見いだすことはできなかつた.

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