日本畜産学会報
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豚肉の電気抵抗に関する研究
VI. 豚肉中の食塩量と電気抵抗との関係
大高 文男
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1963 年 33 巻 6 号 p. 441-446

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抄録

赤味のひき肉に既知量の食塩を添加して,その電気抵抗を測定したところ,電気抵抗値R(Ω)と添加食塩量N(%)との間に,次のような関係式が得られた.
N=94.3/(R-10)-0.519
硝酸塩および亜硝酸塩は,電気抵抗に,食塩と大体同じ程度に影響を与える.そこで,電気抵抗を測定して肉中の食塩量を知ろうとするときには,それらの混在量にともなう影響があることを考慮する必要がある.蔗糖の添加により,ひき肉の電気抵抗値は高くなるが.肉加工の塩漬けに普通用いられる程度の量では,ほとんど影響がないようである.燐酸塩は,食塩ほど著しくないが,やはり電気抵抗を低下させる作用がある.
肉片を食塩水に塩漬けした後,電気抵抗値と食塩量を測定し,両者の間に,ひき肉の場合と同型の次の関係式が成り立つことを知つた.
N=51.2/(R-10)+0.206
なお,この式を用いて,塩漬け肉片中の浸入食塩量を推定し,化学的に定量した結果と比較した.

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