1971 年 42 巻 5 号 p. 232-236
一定の温度環境(25±1°C)で,優性白色コーニッシュ,白色プリマスロック(アーバー•エーカーとロートンの2系統),ニューハンプシャー,白色レグホーンの各品種を同時に飼育し,4,7,10,15および20週令におけるサイロキシンホルモン分泌率(μg L-サイロキシン/100g,体重/日)を調べた.その結果,サイロキシンホルモン分泌率は各品種とも,週令が進むにつれて,その値は減少した.同一週令において,サイロキシンホルモン分泌率に雌雄および品種の差はみられなかった.
一方,恒温環境(25±1°C)下で,白色プリマスロック(アーバー•エーカー系)を用い,4週令時におけるサイロキシンホルモン分泌率で選抜し,高低両グループに分けた.それぞれのグループから次の世代の子をとり,4週令時におけるサイロキシンホルモン分泌率を測定し,その遺伝率を求めた.4週令時におけるサイロキシンホルモン分泌率の遺伝率は,両親平均の子に対する回帰から求めた値は0.19であり,また実現遺伝率(realized heritability)の値は0.24であった.