オーチャードグラスを主体とする混播草を原料としキューブと乾草あるいはサイレージを調製した.調製法の相違による栄養価の比較を明らかにすべく,化学分析,メン羊による消化試験,窒素代謝試験,しこう試験を行なった.その結果,次の知見を得た.1) 細胞膜物質(CW)の含量,消化率はキューブが低くTDN中に占める可消化細胞膜物資(DCW)の割合は乾草に比較して平均約10%も低かった.2) 全窒素に占める水溶性窒素の割合は他のものに比してキューブが極端に低く,調製時のたんぱく質の熱変性が推察された.3) TDN, DCPはサイレージが乾草,キューブに比して高い値を示し,キュープと乾草では総合的に見て等価かあるいは若干キューブが優った.4) キューブのしこう性は良質のサイレージよりは劣ったが,乾草よりは良好であった.5) 窒素出納試験ではキュープは常にプラスの蓄積を示した.