日本畜産学会報
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高温域における鶏の呼吸数,心拍数および体温の変化
山本 禎紀伊藤 敏男三村 耕
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1975 年 46 巻 1 号 p. 19-23

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抄録

1) 温•湿度条件の影響を生理的に評価しえる生理反応を定める目的で,主として高温域における鶏の呼吸数,心拍数および直腸温の変化を調べた.供試鶏には白色レグホン系交雑種雄•雌各6羽を用いた.2) 産卵鶏の呼吸数は25~35°Cに対しほぼ直線的な増加反応を呈したが,雄鶏では呼吸数,直腸温ともに34°C以上の高温域でのみ増加,上昇し,両者の反応の異なることを示した.3) 心拍数は35°C以下の高温域ではやや減少の傾向を示し,40°Cで始めて増加反応に転じた.4) 産卵鶏の場合,温•湿度条件の生理的判定指標として呼吸数が直腸温の変化に比べ優れていると判断された.その理由として,産卵鶏の熱性多呼吸の発現温度が比較的低いこと,その変化が大きいこと,また湿度の上昇に対応した増加反応が現われること,あるいは呼吸数の増加反応は比較的短時間内に安定した反応を示すことなどをあげることができる.5) 呼吸数と心拍数の測定方法および熱性多呼吸発現に関して若干の考察を加えた.

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