日本畜産学会報
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泌乳初期における濃厚飼料の給与量が飼料摂取量,乳量および乳組成に及ぼす影響
和泉 康史裏 悦次
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1977 年 48 巻 8 号 p. 468-473

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抄録

泌乳初期のとうもろこしサイレージの多給時において,濃厚飼料をFCM量の1/3と1/5給与した場合の飼料摂取量および産乳量に及ぼす影響の差異を明らかにするため,ホルスタイン種成雌牛10頭を供試し,分娩後14日目より14週間にわたって試験を実施した.黄熟後期刈取りのとうもろこしサイレージは自由に摂取させ,乾草は1日2kg給与した.その結果次のような知見を得た.濃厚飼料の多給により,サイレージの摂取量は減少したが,総乾物摂取量では増加する傾向が認められた.また,濃厚飼料の多給により,TDNおよびDCP摂取量がそれぞれ有意に増加した.全試験期間を通して,TDNおよびDCP摂取量は,濃厚飼料多給区においていずれも要求量を上回ったが,少給区では要求量を上回ったのはTDNのみで,DCPは全期間を通して要求量に達しなかった.乳量および乳組成には,濃厚飼料の給与最による有意な違いは認められなかった.にれらの結果から,十分登熟したとうもうもろこしサイレージを多給した場合,泌乳初期においても濃厚飼料の給与量を乳量の1/3以下に節減し得るものと考えられる.

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