日本畜産学会報
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ピーナッPHAにより見出されたニホンウズラ赤血球凝集原に関する研究
水谷 誠梅沢 英彦倉益 茂実
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1977 年 48 巻 8 号 p. 463-467

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抄録

1. ピーナツPHAはPNP系およびF1(PNP系×PNN系)のふ卵7日目からふ化後8週齢までのすべての発育段階のウズラ赤血球を凝集した.PNN系ではふ卵7-9日目までの赤血球は全例陽性であったが,ふ卵10日目より陰性個体が出現しはじめ,ふ化後1週齢において全例陰性となった.2. "Pn"凝集原の"有"形質が"無"形質に対して優性であり,この常染色体上に存在する単一遺伝子の遺伝子記号を"Pn"と定めた.3. ピーナツPHAに対する凝集性をニワトリ,シチメンチョウ,アヒル,ガチョウ,デンショバトの各赤血球について調査した結果,ニワトリ,シチメンチョウ,アヒルにおいては赤血球凝集性に関して陽性個体と陰性個体が存在し,ガチョウ,デンショバトにおいては全例陰性で個体間差はみられなかった.また,ウズラ("Pn"凝集原),ニワトリおよびアヒルのピーナッPHAに対する各凝集原は吸収試験の結果同一であった.

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