日本畜産学会報
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ゲッシ類の顎下腺におけるステロイドホルモンの代謝
2. ラツト顎下腺のステロイド代謝酵素活性の週齢にともなう変化
勝川 秀夫中村 孝雄田名部 雄一
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1980 年 51 巻 3 号 p. 165-170

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抄録

ラット顎下腺に存在するアンドロジエン代謝酵素活性の週齢にともなう変化を調査する目的で,1, 2, 3, 4, 5, 7および10週齢の雄性ラットの顎下腺ホモジネートをそれぞれアンドロステンジオンおよびテストステロンとともにNADPH存在下で,37±0.5°C,酸素気流中にて60分インキュベートした.本実験で用いたすべての週齢にあるラット顎下腺はアンドロステンジオンおよびテストステロンをそれぞれ5α-アンドロスタン-3,17-ジオン,5α-ジヒドロテストステロン,アンドロステロン,5α-アンドロスタン-3α, 17β-ジオールに代謝した.これらのアンドロジェンの代謝に関与する5α-水素添加酵素の活性は1週齢で高く,その後週齢の経過とともに5週齢まで漸時低下したが7および10週齢では高まる傾向を示した.また,ステロイド17β-水酸基•脱水素酵素活性はアンドロステンジオンを基質とした時,5週齢までほぼ一定であったが,7および10週齢ではこれより高い値を示した.一方,テストステロンを基質にした時,ステロイド17β-水酸基•脱水素酵素の活性は1週齢で最も高い値を示し,その後週齢の経過とともに低下した.

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