日本畜産学会報
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乳牛における泌乳能力検定の簡易化および短期化の検討
直江 俊郎原田 英雄似里 健三砂子田 哲阿部 徹関島 忠人森岡 征夫横内 圀生
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1982 年 53 巻 1 号 p. 14-22

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抄録
乳牛における泌乳能力検定簡便化の可能性を検討する目的で,11道府県試験場所有および近在農家のホルスタイン種初産牛の泌乳記録のうち,1963年から1977年に至る669頭の乳量,乳脂率についての成績を用い,種々の簡易,短期記録を統計遺伝学的に解析した.1. 泌乳能力検定の簡易化:乳量では,4週1日の測定による累計乳量の遺伝率は0.41と推定され,305日間毎日累計乳量の0.45と大差なく,これらの間の表型ならびに遺伝相関はそれぞれ0.99,1.00であったことから,月1日の簡易検定の可能性が示唆された.乳脂率では,月1回測定に基づく305日間平均乳脂率の遺伝率は0.58であり,機械的に2ヵ月に1回,3ヵ月に1回,あるいは選ばれた月の測定に基づく平均乳脂率など,簡易化した記録の遺伝率は実用的観点からみて低い値であった.2. 泌乳能力検定の短期化:乳量では,6ヵ月までの毎日累計乳量の遺伝率は0.41と推定され,305日間乳量との表型ならびに遺伝相関はそれぞれ0.95,0.98であった.乳脂率では,7ヵ月までの平均乳脂率の遺伝率は0.53であり,305日間平均乳脂率との表型ならびに遺伝相関はそれぞれ0.97,0.98であった.これらのことから,6~7ヵ月までの短期検定の可能性が示唆された.3. 泌乳能力検定の簡易•短期化:4週1日の簡易記録について,乳量,乳脂率の305日間記録との表型ならびに遺伝相関は,8ヵ月でそれぞれ.0.98,1.00;0.97,0.99と推定され,この月までの簡易•短期検定の可能性が示唆された.
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