日本畜産学会報
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固定化γ-カゼインとカゼイン成分の相互作用
五十嵐 康雄
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1982 年 53 巻 1 号 p. 56-63

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抄録
γ-カゼインと他カゼイン成分の相互作用を固定化γ-カゼインを用いたアフィニティークロマトグラフィーにより調べた.全カゼインを1M NaClを含むpH7.0の0.05M燐酸緩衝液(I)に溶解し,γ-カゼインーセファロース4Bカラム(0.9×16cm)に添加した後,同緩衝液で溶出に,さらに,NaClを含まない同緩衝液,pH7.0(Ia), pH7.8(II),0.05Mトリス緩衝液,pH8.6(III),2Mおよび4M尿素を含む同緩衝液(IIIa, IIIb)で溶出した.得られた画分を4M尿素を含むディスク電気泳動により観察した.溶出温度30°Cでは,カゼイン成分は緩衝液Iでカラムに吸着されたが,20°Cでは一部吸着されずに溶出し,2°Cでは吸着された量が少なく,温度により著しく影響された.20°Cおよび30°Cで緩衝液IaおよびIIにより溶出された画分には,すべてのカゼイン成分が含まれていたが,緩衝液IIIではαs (minor αsを含む)-カゼイン,IIIaではαs-およびκ-力ゼイン,IIIbではκ-カガインが溶出され,またγ-カゼインは30°Cの時緩衝液IIIで溶出した.β-およびκ-カゼインをカラムに添加した時の溶出図は全カゼイン中における両カゼインの溶出傾向と一致にたが,αs-カゼイン(緩衝液Iaに溶解に,緩衝液Iを省く)は緩衝液Iaで溶出された.全カゼインを添加した時の強く吸着したαs-カゼインは,おそらくκ-カゼインとの相互作用によるものと思われた.以上の結果より,γ-カゼインは他カゼイン成分と主として疎水的に相互作用し,特にκ-カゼインと強く結合することが分った.
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