日本畜産学会報
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鶏胚発生筋の筋芽細胞および筋管の微細構造
菊池 建機玉手 英夫
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1982 年 53 巻 11 号 p. 723-728

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抄録
孵卵7,10,12,13,14,16日の鶏胚錯綜筋(M. complexus)と大腿二頭筋(M. biceps femoris)において,発生に伴う筋芽細胞(myoblast)と筋管(myotube)の微細構造上の変化を検討した.筋芽細胞は,孵卵7日において,2種類に分類された.第一の種類は,核の染色質が全体に拡散し,暗調であり,細胞質には多数の遊離リボゾームを密に含んだ細胞である.第二の種類は,明るい核を有し,細胞質には,粗に,また不規則に分布するポリゾームを含んでいる細胞である.第二種の筋芽細胞の中には,遊離筋フィラメントを形成しているものもある.前者の出現率は,発生に伴い急速に減少し,孵卵10日ではほとんどの筋芽細胞は後者に属する.筋芽細胞の核または細胞膜に近く,しばしば中心子(centriole)が観察された.しかも,分化の進んだ筋管の核の近くにも,まれではあるが中心子を見出した.今回の観察では,十分に成熟した筋線維にはこの小器官を見出せなかった.筋管の細胞質には,未発達な筋原線維や,その周辺に遊離筋フィラメントが形成されており,これらと関連して,多数のポリゾームが分布している.筋原線維は孵卵7日では,細胞内に不規則に形成されているが,その後発生が進み,一次と二次の筋管が分化してくると,一次筋管の場合は,形質膜直下の細胞周縁部に限局して形成されるようになる.二次筋管での筋原線維は,孵卵7日の未熟な筋管と同様に,細胞内全体に,不規則に形成される.二次筋管は,一次筋管の表面で形成され,成熟するとその表面から分離して,次第に数を増してゆく.これらの筋管は,しばしばグループを構成して,一次筋管から離れてゆくのが観察された.分離を完了した二次筋管の細胞間には,同時に,一次筋管の表面から分離してきた筋芽細胞が介在していた.
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© 社団法人日本畜産学会
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