日本畜産学会報
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好気的変敗の程度が異なる牧草サイレージの飼料価値
松岡 栄尾上 富見男加藤 勝幸藤田 裕
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1982 年 53 巻 12 号 p. 786-791

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抄録
牧草サイレージの飼料価値が好気的変敗によりどの程度低下するかを検討するために,サイロから取り出したサイレージを堆積放置し,そのときのサイレージの発熱期間の長さを指標にして,変敗の程度の異なるサイレージを調製し,その飼料価値を取り出し直後のもの(対照)と比較した.消化試験,窒素出納試験はメン羊4頭を用いて実施した.結果は次のとおりである.1) サイレージの化学的品質は,変敗によりpHが上昇し,乳酸含量と総VFA含量が減少し,VBN含量が増加したが,その割合は必ずしも発熱期間の長さに対応しなかった.一般成分には大きな変化はみられなかった.2) 変敗が進むにつれて粗蛋白質の消化率は低下し(P<0.05),NFE,エネルギーの消化率も同様な傾向を示した.しかし,ADFの消化率は変敗サイレージのほうがわずかに高かった(P<0.05).3) サィレージの養分含量は変敗が進むにつれて減少し,DCP含量は,3,6および9日間発熱していたサイレージにおいて,それぞれ4,7,9%減少した.これに対し,TDN, DE含量の減少割合は小さく,9日間発熱していたサイレージにおいて,それぞれ2,4%の減少であった.4) 窒素の蓄積量は変敗により減少し,蓄積率は低下する傾向にあった.5) 第一胃内アンモニア濃度は変敗が進むにつれて減少する傾商がみられ,総VFA濃度も6および9日間発熱していたサイレージにおいてやや減少した.
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