日本畜産学会報
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光周期が子牛の血漿プロラクチン,成長ホルモンおよび甲状腺刺激ホルモン濃度に与える影響
上家 哲甫立 孝一甫立 京子川端 麻夫
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1982 年 53 巻 6 号 p. 395-399

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抄録
光周期が牛の内分泌機能におよぼす影響を知るために,ホルスタイン種の雌子牛6頭を自然光に加えて白色螢光燈の補助照明により16時間明:8時間暗(16L:8D)の光周期で12月上旬から3月下旬まで飼育した.また,対照として6頭を自然光周期(明時間9.8~12.2時間)で飼育した.実験牛は1~3週間の間隔で甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)投与前と投与15分後に血液を採取し血漿中のプロラクチン(PRL),成長ホルモン(GH)および甲状腺刺激ホルモン(TSH)をラジオイムノアッセイで測定して次の結果を得た.1)16L:8D群(以下16Lと略)の基礎血漿PRLレベルの平均値は,0日では8.3ng/mlであったが日長時間延長2週間後には5倍に増加した(P<0.05).その後78日までPRLの基礎値は50~83ng/mlの高値を示した.TRH投与15分の血中PRLの0日の平均値は50.5ng/mlであった.この値は日長時間延長開始3週間後には216ng/mlに上昇し,その後も試験期間中高いレベルを維持した.一方,対照群の基礎PRL値は56日でほとんど上昇せず,また,TRH投与15分値は0日値と比較して有意な変動を示さなかった.対照群の14日から78日における基礎およびTRH投与15分後の値は16Lよりも有意に抵かった.2)16Lの基礎およびTRH投与15分のGHレベルは日長時間の延長による持続的な上昇を示さなかった.しかし,34日以降の16Lの平均GHレベルは基礎,TRH15分値ともに対照区よりも高い場合が多かった.3)TSHは基礎,TRH投与値ともに日長時間の差による有意な変化を示さなかった.4)以上の結果は9.8時間明から16時間明に日長時間を延長して飼育すると牛の血漿PRLは2~3週間以降著しく上昇するがTSHは影響されないことを示している.また,GHに対する光周期の影響は明らかでなかったが,若しあるとしてもPRLに比べると小さいにとを示している.
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