日本畜産学会報
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53 巻, 6 号
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  • 佐藤 正光, 正木 淳二, 太田 実, 二瓶 章
    1982 年 53 巻 6 号 p. 381-387
    発行日: 1982/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ウシ子宮頸管粘膜における腺窩の構造および分泌粘液の形状を,光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した.光顕による観察では,粘膜表面に多数の腺窩が認められ,それらの多くは固有層内部に深く侵入し,2~5本の枝分かれを示した.それら腺窩の上皮細胞は表面上皮細胞より背が高く,核は扁平で基底膜付近に位置し,多くの粘液を含み,分岐胞状単一線の形態を示した.SEMでは,腺窩の開口部の多くは小孔として観察されると同時に,枝分かれの様相が観察された.小孔の平均直径は約3.5μmであった.発情期のウシにおける頸管粘膜表面の大部分は,多量の粘液で被われていた.粘液をSEMで観察するど直径約760Åの線維状物が互に交叉して網状構造を形成していた.また,一部には粘液が腺窩より流出している像も見られ,そのような部位では線維状物が一定の方向に並列しているのが観察された.
  • 前田 芳實, 川崎 広通, 橋口 勉
    1982 年 53 巻 6 号 p. 388-394
    発行日: 1982/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    本研究はウズラの飼料利用性の遺伝的パラメーターについて分析を行なったものである.1)個体レベルでの飼料摂取量は,清涼飲料用の紙コップとプラスチックコップを組み合せて作った給餌器により,ぎわめて正確に測定することができた.2) 1週齢から4週齢までの飼料要求率は3.54と評価され,また,4~6週齢では7.7~9.3を示した.3) 4週齢から6週齢までの飼料摂取量および飼料要求率の遺伝率はh2s+Dで,それぞれ0.56~0.63および0.18~0.42であった.4) 4週齢から6週齢までの期間における飼料要求率と諸形質との表型相関ならびに遺伝相関は次のとおりであった.飼料要求率-増体量:rP=-0.96 rG=-0.82,飼料要求率-飼料摂取量:rP=-0.22 rG=0.50,飼料要求率-4週齢体重:rP=0.37 rG=0.61,飼料要求率-6週齢体重:rP=-0.22 rG=0.32.
  • 上家 哲, 甫立 孝一, 甫立 京子, 川端 麻夫
    1982 年 53 巻 6 号 p. 395-399
    発行日: 1982/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    光周期が牛の内分泌機能におよぼす影響を知るために,ホルスタイン種の雌子牛6頭を自然光に加えて白色螢光燈の補助照明により16時間明:8時間暗(16L:8D)の光周期で12月上旬から3月下旬まで飼育した.また,対照として6頭を自然光周期(明時間9.8~12.2時間)で飼育した.実験牛は1~3週間の間隔で甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)投与前と投与15分後に血液を採取し血漿中のプロラクチン(PRL),成長ホルモン(GH)および甲状腺刺激ホルモン(TSH)をラジオイムノアッセイで測定して次の結果を得た.1)16L:8D群(以下16Lと略)の基礎血漿PRLレベルの平均値は,0日では8.3ng/mlであったが日長時間延長2週間後には5倍に増加した(P<0.05).その後78日までPRLの基礎値は50~83ng/mlの高値を示した.TRH投与15分の血中PRLの0日の平均値は50.5ng/mlであった.この値は日長時間延長開始3週間後には216ng/mlに上昇し,その後も試験期間中高いレベルを維持した.一方,対照群の基礎PRL値は56日でほとんど上昇せず,また,TRH投与15分値は0日値と比較して有意な変動を示さなかった.対照群の14日から78日における基礎およびTRH投与15分後の値は16Lよりも有意に抵かった.2)16Lの基礎およびTRH投与15分のGHレベルは日長時間の延長による持続的な上昇を示さなかった.しかし,34日以降の16Lの平均GHレベルは基礎,TRH15分値ともに対照区よりも高い場合が多かった.3)TSHは基礎,TRH投与値ともに日長時間の差による有意な変化を示さなかった.4)以上の結果は9.8時間明から16時間明に日長時間を延長して飼育すると牛の血漿PRLは2~3週間以降著しく上昇するがTSHは影響されないことを示している.また,GHに対する光周期の影響は明らかでなかったが,若しあるとしてもPRLに比べると小さいにとを示している.
  • 菅原 盛幸, 大木 与志雄
    1982 年 53 巻 6 号 p. 400-405
    発行日: 1982/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ハタネズミにおける給与飼料の違いによる消化管内発酵産物および体内代謝産物への影響,さらに絶食による体内代謝産物への影響について調べた.給与した飼料は(A) ヘイキューブ単独,(B)ヘイキューブおよび草食動物用ペレット,(C) 草食動物用ペレット単独,(D) じゃがいも単独である.絶食は24時間と48時間について検討した.(1) 各飼料給与群の食道のう内容物から,(A) 4.30,(B)4.65,(C) 4.06,(D) 3.31mM/dlの揮発性低級脂肪酸(VFA)が検出され,腺胃•幽門胃内容物では著しく減少していた.VFAの構成は酢酸が主体で,酪酸,プロピオン酸は僅かであった.一方,乳酸はいずれの群においても比較的多く存在し,特に線維質が少なく澱粉質の多い(D) 給与群において高かった.盲腸内VFA濃度は,10mM/dlと各群とも高く,その比率は,(A)~(C)群において,ほぼ一定であり,酢酸:プロピオン酸:酪酸=10:1:2であった.(2) 血糖値は(A)63.8,(B)81.0,(C)91.3,(D)77.4mg/dlであった.肝グリコーゲンは肝1g当り10~20mgであった.血漿遊離脂肪酸(FFA)は0.609~0.732mEq/lであった.(3) 絶食により,血中ケトン体および尿中ケトン体が著しく増加し,24時間絶食で70%,48時間絶食で91%がケトン尿症を呈し,典型的な飢餓性のケトーシズを示した.この時,血糖値は47.2mg/dlとほぼ半減し,肝グリコーゲンは完全に消失していた.血漿FFAは絶食24時間で1.377mEq/lと倍増し,48時間後には1.967mEq/lとさらに増加した.
  • 佐々木 晋一, 安保 佳一, 津田 恒之, 渡辺 泰邦
    1982 年 53 巻 6 号 p. 406-411
    発行日: 1982/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    正常および塩酸注入により作成したアシドーシスめん羊について,U-14C-glucoseのprimedinfusionによる同位元素希釈法を使用し,腎におけるグルコース産生(RGP)と利用率(RGU)ならびに全生体におけるグルコース利用率(TBGU)を求め,また腎におけるアンモニア産生量(NH3•P)を測定しRGPとの関連性を定量的に検索した.アンモニアの尿中排泄量は,アシドーシス期には正常時の13倍に増加し,NH3•Pも9倍に増加した.TBGUはアシドーシス期にやや減少したが有意差はなかった.RGPは正常めん羊で0.47mg/min/kg,アシドーシスめん羊で0.85mg/min/kgと正常の約1.8倍に増加し,TBGUに対する割合も正常めん羊の21%に対してアシドーシスめん羊では40%と2倍に増加した.RGUも正常およびアシドーシスめん羊で,それぞれ0.26,0.63mg/min/kgとアシドーシスによりその利用は2.5倍に増加した.しかし,(RV-A)差は正常めん羊とアシドーシスめん羊で有意な変化は見られなかった.また,glutaminase-glutamic dehydrogenase pathwayを仮定して計算すると,グルタミンから腎で産生されたグルコースは正常めん羊で0.8%,アシドーシスめん羊で4.2%であった.以上の結果より,pHの低下は見掛上のRGPになんら影響を及ぼさないように見えるが,生体内酸塩基平衡のバランスが崩れた状態では,腎の糖新生を増加させる一方,RGUも増大させていることが明らかとなった.さらに,アシドーシスはNH3•Pの増加と糖新生の増加を惹き起し,それらの間には相互関係があるように見えるが,グルコースへのグルタミンの寄与率は小さく,腎の糖新生の増加が酸塩基平衡維持の為のアンモニア産生の増加の2次的なものではなく,何か他の因子により影響されていることが示唆された.
  • 牛田 一成, 宮崎 昭, 川島 良治
    1982 年 53 巻 6 号 p. 412-416
    発行日: 1982/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    モネンシンの飼料添加が,粗飼料多給条件下のめん羊第一胃内容物のガス及びVFA産生像に及ぼす影響について検討した.注射筒2本と三方コックからなる簡便な培養装置を用い,これにフィステルから採取した第一胃内容物を四重ガーゼで〓過したものを培養液として注入して,39°Cで4時間培養し,その間に発生したガスとVFAについて,モネンシン添加期と無添加期の間で比較した.その結果,モネンシン添加飼料の給与時には,第一胃内容物の総ガス生成量,CO2生成量,CH4生成量が,無添加飼料給与時に比べ減少し,またその差はいずれも統計的に有意であった.VFA産生像については,酢酸が有意に減少しプロピオン酸が有意に増加したが,酪酸には明らかな差は認められなかった.またモネンシン添加のこうした効果は添加をした21日間持続し減退することがなかったが,添加を中止した7日後には認められなくなった.
  • 和泉 康史, 黒沢 弘道, 蒔田 秀夫, 石田 亨, 尾上 貞雄, 小倉 紀美
    1982 年 53 巻 6 号 p. 417-423
    発行日: 1982/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    乳熟後期(早刈)および黄熟後期(遅刈)刈取りのとうもろこしと出穂期(早刈)および開花後期(遅刈)刈取りのチモシー-ラジノクローバについて,それぞれサイレージを調製し,それらについて化学組成と発酵品質の分析を行い,去勢羊によって消化率と養分含量を求めた.またホルスタイン種の泌乳牛8頭を供試し,各サイレージの養分摂取量,乳量,乳組成についての測定,分析を行い,その産乳価値の差違を比較した.試験サイレージは自由に摂取させ,乾草は全牛に1日2kg,濃厚飼料は乳量の1/5を給与した.その結果,次のような知見を得た.1) サイレージ乾物摂取量および全TDN摂取量は,遅刈とうもろこし区が他の3区に比して,また早刈とうもろこし区は両牧草区に比して,それぞれ有意(P<0.05)に高かった.一方,全DCP摂取量は,早刈とうもろこし区が他の3区よりいずれも有意(P<0.01)に高かった.2) 実乳量では各区間に有意な違いは見られなかったが,FCM量では遅刈とうもろこし区が両牧草区に比し,また早刈とうもろこし区は遅刈牧草区に比して,それぞれ有意(P<0.05)に高かった.乳組成では,両とうもろこし区間に特に有意な相違はなく,両牧草区間でも蛋白質以外の成分で有意差は認められなかったが,乳糖を除く他の成分において,両とうもろこし区は両牧草区に比して高い傾向が認められた.
  • 岡本 悟, 旗手 祐二, 松尾 昭雄
    1982 年 53 巻 6 号 p. 424-428
    発行日: 1982/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    本研究は,ウズラの6週齢体重を指標として選抜•造成された体重大系統,小系統およびこれらの2系統間の相反交雑群を用い,生産諸形質に関するへテロシスの効果を追求したものである.その結果,受精率には受精能力の高い系統を雌親とした場合にのみ正のヘテロシス効果が認められた,またふ化率には顕著な負のヘテロシスが,育成率には正のヘテロシスがそれぞれ認められた.交雑集団の6週齢と10週齢体重は両親のほぼ中間であったが,産卵諸形質(初産日齢,産卵数,卵重および産卵量)は産卵形質の優れた体重大系統に近い成績であった.
  • 泉本 勝利, 三浦 弘之
    1982 年 53 巻 6 号 p. 429-437
    発行日: 1982/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    豚肉を原料とする加工肉の異なるヘム色素誘導形態について,その色調特性の解析を試みた.色調特性はCIE 1976L*,a*,b*等歩度色調空間によって表現された.ヘム色素含量による色調変化は明度が支配的であり,ヘム色素誘導形態による色調変化は色度が支配的であった.色素含量(対数値)に対する明度特性は誘導形態間でほとんど一致し,シグモイド曲線となり減少した.この明度特性は実在の肉のヘム色素含量に限定された範囲において直線性が認められたので,色素含量の変化による明度変化は色素含量に反比例することが示唆された.a*,b*平面上の色度特性は放物線状となり,誘導形態間で放物線の位置と形状が異なった.彩度はヘマチン150ppm付近で最大値を示し,実在の肉のヘム色素含量の範囲では加熱塩漬肉が加熱肉より高い値を示し,色素含量の増加につれてその差が大きくなった.色相角度は色素含量の増加につれて加熱塩漬肉では黄色系から赤色系に,加熱肉では黄色系から橙色系に変化し,高色素含量では一定になった.誘導形態間の色素はヘマチン150ppm付近で最大値を示した.
  • 大石 孝雄, 島田 和宏, 篠田 稔彦, 中田 靖彦
    1982 年 53 巻 6 号 p. 438-440
    発行日: 1982/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 安田 幸雄, 谷岡 功邦, 大沢 仲昭
    1982 年 53 巻 6 号 p. 441-444
    発行日: 1982/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 大橋 登美男, 芳賀 聖一, 山内 清, 片山 英美, オールソン N.F.
    1982 年 53 巻 6 号 p. 445-447
    発行日: 1982/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
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