日本畜産学会報
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ラット胎児に対する飼料エネルギーの利用効率-妊娠中期および後期までにおける推定値の比較-
斎藤 守高橋 正也
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1983 年 54 巻 6 号 p. 369-373

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抄録

成長中のWistar系未経産雌ラット(体重約200g,約10週齢)を用いて,妊娠中期まで(妊娠0~14日)および後期まで(妊娠0~20日)における飼料中代謝エネルギー(ME)の受胎生産物(胎児,胎盤,羊水および子宮)に対する利用効率を推定した,この効率は,摂取したMEを,維持に要するエネルギー量(a)と,母体および受胎生産物に蓄積されたエネルギー量(それぞれx1,x2)に分割するために,y=a+bx1+cx2をモデル式として重回帰式を導き,この式におけるx2の係数(c)の逆数として推定したものである.なお,母体へのエネルギー蓄積量の測定は,屠体分析の手法によった.その結果,飼料中MEの受胎生産物に対する利用効率は,妊娠中期および後期までにおいて,それぞれ,24.3および22.3%となり,両推定値は比較的よく一致していた.このことより,飼料中MEの受胎生産物に対する利用効率は,妊娠のステージによって大きく変化しないものと推測された.

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