日本畜産学会報
Online ISSN : 1880-8255
Print ISSN : 1346-907X
ISSN-L : 1880-8255
ラット胎児に対する飼料エネルギーの利用効率-飼料の自由摂取ならびに成熟ラットによる検討-
斎藤 守高橋 正也
著者情報
ジャーナル フリー

1983 年 54 巻 6 号 p. 374-377

詳細
抄録

成長中のWistar系未経産雌ラット(約10週齢,体重約200g,以下成長ラットと略記)を用いて,不断給餌した場合,および成熟体重に達したWistar系未経産雌ラット(約30週齢,体重約340g,以下成熟ラットと略記)を用いて,制限給餌した場合について,妊娠のほぼ全期間をカバーする妊娠20日までにおける飼料中MEの受胎生産物(胎児,胎盤,羊水および子宮)に対する利用効率を前報と同じ方法によって推定した.その結果,成長ラットの実験におけるその利用効率は21.5%で,この値と成熟ラットの場合の24.0%との間には,大差はなかった.本報ならびに前報の結果より,飼料中MEの受胎生産物に対する利用効率は,飼料の給与水準,供試ラットの体重,さらに妊娠のステージの相違などによっても大きく影響されずに,ほぼ一定しているものと推測された.前報と本報で得られた飼料中MEの受胎生産物に対する4つの効率を平均すると,23.0±1.3%(±標準偏差)となった.

著者関連情報
© 社団法人日本畜産学会
前の記事 次の記事
feedback
Top