日本畜産学会報
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加工肉中のヘム色素の直接分析法
泉本 勝利三浦 弘之
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1984 年 55 巻 2 号 p. 76-81

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抄録

加工肉中のヘム色素の直接分析法を案出した.この方法は表面反射率を測定することを基本とする.ヘム色素含量はヘマチン(Ch)として,次の式から算出される.ここで,RおよびCSは各々反射率の逆数および発色度を示す.R525,(CS)は任意のCSの525nmにおける反射率の逆数とする.
Ch=22.9•R525,(CS)-32.2 ppm
発色度CSはR525,(CS)とR640,(CS)から次の式で算出されるCS=-299.3R640,(CS)-1.391/R640,(CS)-1.671+150.2 %
計算図表はヘム色素含量と発色度の測定値を迅速に得るために作製した.加工肉のヘム色素の状態は,640nmの反射率の逆数の差によく反映されており,計算図表から推定できた.この直接分析法は即時測定できるので,加工肉色調の研究•品質管理•評価にとって実用性が高いと考えられる.

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