日本畜産学会報
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有蹄類胃粘膜における粘液物質の組織化学
鈴木 一憲永井 廣玉手 英夫
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1987 年 58 巻 12 号 p. 1017-1023

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抄録

種の有蹄類・ウシ, ヤギ, ヒツジ, ニホンジカ, クビワペッカリー, カバおよびウマの胃粘膜の粘液物質についてアルシアンブルー (pH 2.5) 一過ヨーソ酸シッフ反応 (AB-PAS) と高鉄ジアミンーアルシアンブルー (pH 2.5) 染色 (HID-AB) を用いて組織化学的に調べた, 今回調べた7種の有蹄類では酸性粘液物質が多く見られた. すなわち, 反芻亜目ではスルフォムチンが多く, イノシシ亜目では中性粘液物質に加えシアロムチンやスルフォムチンも多く見られた. ウマでは中性粘液物質とシアロムチンが観察された, これらの動物はいずれも草食性か繊維質食をともなう雑食性であることから, 酸性粘液物質の存在は草食性と関係すると推察された.

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