日本畜産学会報
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軽種馬におけるトランスフェリン量の加齢変動
鉄代謝および免疫グロブリン量との関連性について
横濱 道成側原 仁茂木 一重
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1988 年 59 巻 4 号 p. 324-328

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抄録

軽種馬のトランスフェリン(Tf)は,生直後と生後1ヵ月齢前後に鉄飽和またはそれに極めて近い状態になる時があることが二次元電気泳動(2-D)法によるTfのパターン分析で分った.また,この時期はTf量および血清鉄値もピークを示し,Tfの総鉄結合能が高くなっていた.一方免疫グロブリン量とTfの加齢変動を比較した結果,IgG量が最も低下する生後1~3ヵ月齢頃は,Tf量が成体時の約2倍量保持している時期であった.以上のことから,Tfの加齢変動は,生体内におけるTfの鉄運搬機能および感染防御と関連した成育時期におけるTfの顕著な作用増進の現象と考えられた.

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