日本畜産学会報
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ウズラの視床前背側部への網膜投射について
山田 未知杉田 昭栄
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1993 年 64 巻 6 号 p. 608-613

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抄録

ウズラにおける視床前背側部への網膜投射様式を順行性軸索標識法(horseradishperaxidase method: HRP法)を用いて明らかにした.一側の眼球にHRPを注入すると,HRPにより標識された神経線維は視神経交叉で完全に交叉し,注入側とは反対の視床前背外側核吻外側部(DLAlr),視床前背外側核外側部(DLL),視床前背外側核大細胞部(DLAmc)に終止していた.特にDLAlrとDLLへの網膜投射は強かった.また,視床前背外側核内側部(DLM)にも弱い網膜投射が見られた.さらにDLLをニッスル染色による組織像およびHRP終末様式により,構成細胞が密に分布し,網膜からの投射が最も強かったA層,細胞分布が疎で,網膜からの投射がA層に比べると弱いB層,さらに細胞分布がB層よりは密で,網膜からの投射が3層の内で最も弱いC層の3つの亜層に分けられた.

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