日本畜産学会報
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飼料中メチオニン含量と可欠アミノ酸添加がブロイラーの腹腔内脂肪蓄積に及ぼす影響
高橋 和昭小梨 茂秋葉 征夫堀口 雅昭
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1994 年 65 巻 3 号 p. 244-250

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抄録

雄ブロイラーの腹腔内脂肪蓄積に及ぼす飼料中のメチオニン(Met)含量と可欠アミノ酸添加の影響を検討した.試験1:粗タンパク質(CP)含量23%で含硫アミノ(SAA)酸含量が0.49%の基礎飼料に0,0.22,0.44または0.66%のMetをグリシン(Gly)と代替した飼料を10日齢のブロイラーに17日間自由摂取または等量給与させた.両条件下ともに,増体量はMet含量の増加にともなって増加し,飼料効率は0.44%Met区で最大となった.腹腔内脂肪量はMet含量の増加に伴って低下した.試験2:CP含量19.6%,SAA含量0.56%の飼料に0,0.37,0.59または0.74%のMetを添加した飼料とCP含量23%でSAA含量0.93%の対照飼料を7日齢のブロイラーに21日間自由摂取させた.0.56% Met添加飼料給与により,最大の成長と飼料効率,最小の腹腔内脂肪含量が得られた.しかし対照飼料と比較すると成長,飼料効率は劣り,腹腔内脂肪含量は0.56% Met添加飼料で高い傾向にあった.試験3:CP含量19.6%,SAA含量0.56%の飼料にMetを0,0.59または0.74%添加した飼料とそれぞれの飼料のCP合量が23%となるようにGlyまたはグルタミン酸(Glu)をスターチと代替する形で加えた9飼料および試験2で使用した対照飼料を7日齢のブロイラーに14日間自由摂取させた.低タンパク質飼料およびGly添加飼料におけるMet欠乏は成長,飼料効率を低下させたが,Glu添加飼料ではMet欠乏でも成長の低下はみられなかった.Glyには腹腔内脂肪含量低下作用が認められたがGluには認められなかった.

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