日本畜産学会報
Online ISSN : 1880-8255
Print ISSN : 1346-907X
ISSN-L : 1880-8255
不快条件下における産卵鶏の血漿カテコールアミンおよび関連生理反応
藤田 正範山本 禎紀
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 67 巻 12 号 p. 1043-1049

詳細
抄録

飼育条件が家禽に及ぼすストレス程度の理解を深めるために,自由採食,80%制限給餌,60%制限給餌,緊縛負荷および暑熱暴露の条件下で産卵鶏の血漿中グルコース,FFA,エピネフリン,ノルエピネフリン濃度およびモノアミンオキシダービ活性を観察した.飼料摂取量は,100%給餌に較べて緊縛負荷と暑熱暴露で有意に減少した.呼吸数と体温は暑熱暴露で有意に増加し,心拍数は緊縛負荷で有意に増加した.グルコース濃度は緊縛負荷で有意に増加し,FFA濃度は,80%給餌,60%給餌および緊縛負荷で有意に増加し,暑熱暴露で増加する傾向を示した.エピネフサン濃度は緊縛負荷で最も高く,80%給餌と60%給餌でも有意に増加し,また,暑熱暴露で増加する傾向を示した.ノルエピネフリン濃度は緊縛負荷で最も高く,60%給餌ど暑熱暴露で有意に増加し,また,80%給餌で増加する傾向を示した.以上の結果,産卵鶏に対する行動抑制,棚限給餌および暑熱暴露はストレス度が高いものと判断された.

著者関連情報
© 社団法人日本畜産学会
前の記事 次の記事
feedback
Top