日本畜産学会報
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産卵鶏における飼料中の過剰なアミノ酸に対する血漿遊離アミノ酸濃度の迅速な応答
山本 朱美石橋 晃
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1996 年 67 巻 12 号 p. 1050-1057

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抄録

単一または複数のアミノ酸を同時に過剰添加したときに,どのアミノ酸の血漿濃度がいつ反応し,その反応が長期に渡り保持されるか否かを明らかにするために2つの試験を行った.15ヵ月齢の産卵鶏を単飼し,トウモロコシ,フスマおよびコーングルテンミールを主体とする基礎飼料を14日間給与した後,試験1では,それぞれのNRCのアミノ酸要求量の40%を含む4種類(Arg, His, Phe, Met)および3種類(Ile, Thr, Va1)のアミノ酸の混合物を,試験2では,10種類(Arg, Ile, Gly, Glu, Thr,His, Phe, Met, Lys, Leu)のアミノ酸を同じくNRC要求量の40%ずつおよび基礎飼料中の40%に相当するGluを単独に添加した試験飼料に切り替えた.飼料切り替え後,経日的に採血を行った.飼料にアミノ酸を混合添加したとき,HisとPhe以外のアミノ酸の血漿濃度は別々に4日までに添加アミノ酸に応答し,応答した血漿遊離アミノ酸濃度は試験終了日である24日目まで持続された.単独に添加した場合,Glu, His,およびPhe以外のアミノ酸の血漿中濃度は4日目までに応答し,その状態は20日目まで持続された.

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