日本畜産学会報
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ウシ発情周期における卵胞動態の超音波画像診断装置による 解析と過剰排卵反応
小林 修一生水 誠一河部 恭一高岸 実加藤 武市福井 幸昌内海 恭三
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1997 年 68 巻 1 号 p. 45-53

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抄録

ウシの過剰排卵処置前の発情周期および過剰排卵処置時の卵胞動態を超音波画像診断装置により解析し,卵胞動態が採胚成績に及ぼす影響を検討した.供胚牛は分娩直後の黒毛和種経産牛12頭で,卵胞動態は毎日調査した.その結果,1発情周期に3卵胞波を示す3頭の個体を除いて,その他の個体では2卵胞波を示し,また直径7-10mmの優勢卵胞の出現によって直径2-3mmの卵胞数が減少する傾向にあった.1発情周期において直径2-3mmの卵胞が10個以上で推移し,かっ直径4-10mmの卵胞の出現が少ない個体2頭は,平均採胚数16.5個であった.その他の個体は直径2-3mmの卵胞が10個以下で推移し,かつ直径4-10mmの卵胞の出現頻度が高く,平均採胚数は4.7個であった.また,上記の12頭に過剰排卵処置時のみを解析した6頭を加えた18頭の過剰排卵処置時に示された卵胞数と採胚数の重回帰分析の結果,直径2-3mmの卵胞数と採胚数の間に相関(標準化偏回帰係数0.80)が認められた.

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