日本畜産学会報
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Pituitary adenylate cyclase-activating polypeptide (PACAP)の頚動脈および視床下部内投与がヤギの成長ホルモン(GH)放出に及ぼす影響
橋爪 力小泉 和生佐々木 浩一桝田 博司
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1998 年 69 巻 6 号 p. 563-570

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抄録

PACAPを雌ヤギの頸動脈および視床下部内に投与してin vivoでのPACAPのGH放出効果を検討した.PACAPを体重1kg当たり0.5μg頸動脈内に投与しても,GHの放出効果は見られなかったが,5および15μg投与すると投与10分後にそれぞれGHの有意な放出が見られた(P<0.05). PACAPを視床下部内に投与した場合は,1頭当たり0.5μgの投与では投与110分および140分後に投与前の値に比べ有意に高い値を示した(P<0.05).また5μgの投与では投与80分,110分,120分および130分後に投与前の値に比べ有意に高い値を示した(P<0.05).視床下部内にPACAPを5μg投与した時の150分間におけるGH放出反応曲線下の面積(AUC)は対照区に比べ有意に高かった(P<0.05).本研究の結果はPACAPはin vivoでもヤギのGHを放出させること,またその放出機構には下垂体への直接作用のほか,視床下部を介した作用もあることを示唆している.

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