日本畜産学会報
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尿素添加蒸煮•爆砕処理が小麦わらの成分含量ならびにその反芻胃内分解様相に及ぼす影響
金 海浜名 克己菱沼 貢大浦 良三関根 純二郎
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1998 年 69 巻 6 号 p. 605-611

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抄録

小麦わらに風乾物当たり2.0%の尿素を添加して,蒸煮•爆砕した複合処理小麦わらの化学成分変化ならびにそれらの反芻胃内分解様相に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.風乾物当たり2%の尿素添加した小麦わらを10kg/cm2の圧力の飽和蒸気により10分間蒸煮し,さらに12kg/cm2まで圧力を上げて大気中に急激に放出して,組織を爆砕したものを処理U1とし,尿素添加量は処理U1と同様で,8kg/cm2の圧力で10分間蒸煮し,さらに圧力を13kg/cm2まで上げて爆砕したものを処理U2とした.無処理の小麦わらを対照区とした.これらのサンプルをナイロンバック法によりオーッ乾草を単独給与しためん羊の反芻胃内で培養した.尿素添加蒸煮•爆砕処理により,粗タンパク質含量が増加した.細胞壁成分では,中性デタージェント繊維(NDF)およびヘミセルロース含量がわずかに減少しセルロースおよび酸性デタージェント繊維(ADL)含量には大きな変化は見られなかった.尿素添加蒸煮•爆砕処理により乾物およびNDFの可消化分画が両処理とも有意に増加した(P<0.05).NDFの分解遅滞時間も有意に短縮した(P<0.05).ヘミセルロースおよびADLの分解遅滞時間も有意に短縮した(P<0.05).蒸煮•爆砕処理によリセルロースおよびADLでは,両処理とも可消化分画が有意に増加した(P<0.05).尿素添加•蒸煮•爆砕の複合処理では,粗タンパク質含量および繊維分画の可消化量が増加すると推察された.

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