日本畜産学会報
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ブロイラー先物市場における受渡しと指標価格形成機能
賀来 康一
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2000 年 71 巻 7 号 p. 82-90

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抄録

農産物6商品の国内先物市場での年間受渡し高と年間出来高に占める比率は62,612枚,0.18%(1990年)から,30,174枚,0.07%(1997年)へ減少した.1999年に関門商品取引所で始まるブロイラー現物先物取引の年間受渡し高は年間出来高の1%以下と推定する.月間処理羽数30万羽の処理業者の場合,もも肉とむね肉の販売金額は変動係数7.57%/年(1990-1997年)で毎日変動し,年間販売金額は16.8億円(1990年)から14.0億円(1997年)へ減少し,販売価格変動リスクを負う.国産ブロイラーもも肉(標準品)に関し,先物市場で渡し方•受け方と想定される月間処理羽数30万羽以上のブロイラー会社51社と月間取扱量1,000トン以上の荷受会社32社のシェア(出荷量÷国内流通量)は79.8%と83.9%(1996年)で,出荷量の9.9%以下,9.4%以下が先物市場を経由する.日経相場を形成する東京の荷受会社11社のシェアは50.35%に過ぎなかった(1996年).ブロイラー先物市場は公正な指標価格を形成すると考えられる.

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