噴火が鳥類に及ぼす影響は、火山噴出物、生息場所の消失、植生の破壊、生物間関係の変化、人間生活の変化などからもたらされる。三宅島2000年噴火では、噴火直後に鳥類の種類と個体数は一時減少したが、その原因として、鳥類が他島を含め遠方に移動した可能性が考えられる。翌年以降、鳥類の種の豊富さや個体密度は樹木植被率と正の相関を示し、植生が回復していない場所では種の豊富さ、個体密度ともに小さかった。この相関関係は噴火後終始一定であったわけではなく、2006年には植被が少ない場所でもある程度の鳥類個体が記録された。2002年と2009年以降には、そうしたことは見られなかった。この変化は、腐朽木や衰退木からの昆虫発生量の変化から説明可能と考えられる。さらに、常緑広葉樹林を好む種の個体が減少し、林縁や草地を好む種の個体が増える傾向も示された。減少しつつある種には三宅島に特徴的な種や亜種が複数含まれており、植生の自然な再生を図りつつこれらの種の保全を図るための対策の策定が急がれる。