2018 年 61 巻 1 号 p. 1-6
Load sharing classification(LSC)を用いた骨粗鬆症性椎体骨折の早期手術について報告する.
対象は, 胸腰椎移行部椎体骨折新鮮症例17 例, 平均年齢77 歳である. LSC 5 点以上を手術適応と判断し, 後方固定術を施行した. 受傷から手術までは平均14 日, 術後観察期間は平均13 ヵ月である. これらの症例のLSC, Thoracolumbar injury classification and severity score(TLICS), 手術時間, 出血量, 椎体圧潰率, 局所後弯角, 骨癒合の有無, Pedicle screw の緩み・転位について調査した.
手術時間は平均118 分, 出血量は平均97ml であった. LSC は5~9 点で7 点以上の高度粉砕例は9 例認めた. TLICS は1~5 点で, 12 例は2 点であった. 圧潰率は術前55.9%, 術後65.6%, 最終経過時
55.3%であった. 後弯角は術前17.5°が, 術後8.1°, 最終経過時17.8°であった. 全例骨癒合が得られた.
麻痺がなく後方要素の障害の少ない骨粗鬆症性椎体骨折では, 手術適応の判断にはLSC が合目的であり, 重症例の早期手術の判断に有用と考える.