2020 年 63 巻 1 号 p. 7-10
保存的治療を行った硬膜外膿瘍を伴う化膿性椎間関節炎の3例を報告する.症例1:68歳男性,腰痛と発熱で発症し,MRIから化膿性椎間関節炎(L2/3右)と診断し,膿瘍穿刺培養よりB群溶連菌陽性であり,2週間の抗菌薬点滴でCRP陰性化した.症例2:20歳女性,腰痛,両大腿しびれと微熱で発症し,MRIで化膿性椎間関節炎(Th10/11右)と診断し,膿瘍穿刺培養より黄色ブドウ球菌陽性で,1週間の抗菌薬点滴でCRPは陰性化した.症例3:67歳男性,腰痛と発熱で発症し,抗菌薬先行投与後にMRIで化膿性椎間関節炎(L3/4右)と診断した.膿瘍穿刺培養は陰性であったが,3週間の抗菌薬点滴でCRP陰性化した.【考察】全例血液培養陰性であったが,抗菌薬先行投与のない2例では膿瘍穿刺培養で起因菌を同定し,適した抗菌薬治療が可能であった.腰痛に発熱を伴う疾患の鑑別の1つに本疾患を念頭に置き,可能な限り抗菌薬投与前の膿瘍穿刺で起因菌を同定し治療にあたることが重要である.