2025 年 16 巻 p. 29-35
教育現場において「ゲーミフィケーション」が注目され,効果的な教育方法の一助として期待されている。一方で,こうしたゲーム要素を取り入れた教育方法には,具体的にどのような要素が取り入れられており,その動向を概観した研究は見当たらない。
そこで,本研究では,2010年以降の日本のゲーム要素を取り入れた教材の教材開発・実践的研究を対象に,国立情報学研究所の論文情報ナビゲータ(CiNii)の検索機能を用いて調査し,得られた結果を分類し,その傾向や動向について考察を行い,今後の導入に向けた課題を明らかにすることを目的とする。その結果,「英語」や「国語」などの実践があまりなされていない教科が今後課題となりうる可能性や,ゲームジャンルによって使用されるゲーム教材の種類が固定化している傾向にあること,教師の意図に適した「競争性(レース)」や「可視化(スコア・ランキング)」等のゲーム要素がよく活用されていることについて確認でき,ゲーム教材は,活用目的などを明確化し,その有効性を図る必要があることについて示唆を得ることができた。