ケモインフォマティクス討論会予稿集
第40回ケモインフォマティクス討論会 山口
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口頭発表
溶媒がNMR遮蔽定数に及ぼす影響ついての理論化学的研究
*今井 拓也赤瀬 大相田 美砂子
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p. O10-

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抄録
核磁気共鳴(NMR)の測定は、気相、固相、液相中において行われ、NMR遮蔽定数は周囲の環境の影響を受けることが知られている。気相中におけるNMR遮蔽定数は高いレベルで計算することにより精度高く予測できることがこれまでの研究により分かっている。しかし溶液中におけるNMR遮蔽定数の計算では高い計算レベルを用いるだけでは気相中のように精度の高い結果を得ることはできない。その理由として、周りの溶媒分子による溶質分子の構造変化や、溶媒分子自体がNMR遮蔽定数に影響することなどが考えられる。本研究では、溶液中の構造をQM/MM法により求め、その構造をもとに溶媒の影響によるNMR遮蔽定数の変化について考察した。その結果、周りに溶媒が存在することによる溶質分子の構造変化はNMR遮蔽定数に小さな影響だけしか与えておらず、周りの溶媒の取り入れ方によりNMR遮蔽定数に大きな影響が出ることが分かった。
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