リアルオプションと戦略
Online ISSN : 2189-6585
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講演要旨、大会チュートリアルセッション講演、
地熱発電開発の不確実性
窪田 ひろみ
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2015 年 7 巻 1 号 p. 13-16

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抄録

地熱発電は,設備利用率が高く(約80%), ベース電源としての役割を担う。地熱発電 用タービンの世界シェアは約70%と,国内 企業の技術力は高い。また,発電だけでな く熱水のカスケード利用(農水産業,暖房, 融雪,乾燥等)による省エネ・地元産業活 性化・観光資源としての貢献,非常用電源 としての有効活用等が期待されている。 しかしながら,現状では,地熱発電の設 備容量は約52 万kW,電源構成に占める割 合は僅か約0.3%である。地熱資源の約8 割 が国立・国定公園内に存在するとされ,自 然環境保護の観点や,建設コストが高い等 の理由から開発困難な地域も多い。地熱発 電の固定価格買取制度(FIT)認定設備容量 は14,725kW(2014.10 時点)であり,太陽 光や風力に比べて極めて少ない状況にある。 そこで本稿では,再生可能エネルギーの 中でも質の高い電気を供給できる地熱発電 について,開発に伴う様々なリスク(不確 実性)とその対策の現状と課題を紹介する

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© 2015 日本リアルオプション学会
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