リアルオプションと戦略
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講演要旨、大会チュートリアルセッション講演、
英国電力市場改革と原子力発電
下郡 けい
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2015 年 7 巻 1 号 p. 2-7

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抄録

世界に先駆けて電力市場の自由化に取り 組んだ英国では,原子力発電事業が民営化 された1996 年に計画段階にあった加圧水 型原子炉(PWR)の新設計画が白紙撤回され てから,EDF Energy のHinkley Point C 原子 力発電所建設計画が政府から計画承認を受 ける2013 年3 月まで,具体的な原子力発電 所の新規建設計画はなかった. 英国は,1989 年に電気法を制定し,1990 年には発電市場の自由化,1999 年には小売 市場の自由化が完了している.自由化され た電力市場を背景に,英国はエネルギー政 策というよりも競争政策の中でエネルギー 安全保障や電源構成をとらえてきた.しか し,2000 年代の環境変化を受けて,“競争” から“支援”をともなうエネルギー政策へ と転換する.2013 年12 月には,原子力発 電を含む低炭素電源導入促進へ向けた FIT-CfD を盛り込んだ「エネルギー法」が成 立した. 本稿では,原子力発電の推進には政策的 な支援が重要な役割を果たしており,経済 性にのみ基づいて電源が選択されるような 競争的な市場の下では,原子力発電の新設 計画は困難に直面する,という仮説をたて, 英国においてこれまで原子力発電がどのよ うに位置付けられ,それがどう変わってき たのかを整理・分析し,日本への示唆を検 討する

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© 2015 日本リアルオプション学会
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