理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: CP218
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運動学
膝関節伸展運動に伴う脛骨回旋の解析
*菅川 祥枝木藤 伸宏弓削 千文奥村 晃司吉用 聖加
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抄録
【はじめに】正常では膝伸展運動に伴い、最終域で外旋が起こる。それは、screw home movementとして知られている。膝関節疾患では回旋運動が障害されることが臨床的に観察できる。特に発症原因がいまだ解明されていない膝OAでは、回旋運動を明らかにすることが病因解明上重要だと我々は考えている。しかしながら膝伸展運動に伴う回旋角度の詳細な報告は少ない。本研究の目的は健常膝での膝伸展運動に伴う脛骨回旋運動メカニズムを明らかにすることである。【対象と方法】対象は健常人10名(男性4名、女性6名、16膝、平均年齢26.8±4.1歳、平均身長162.9±7.1cm、平均体重58.6±10.4kg)とした。被験者は端坐位で、大腿部は固定し、下腿近位外側に角速度センサ(MG2-01Ab:マイクロストーン(株))、膝外側に電気角度計 (GONIOMETERSYSTEM XM150 型:BiometricsLtd:)を装着した。膝屈伸運動は180°/secのスピードでメトロノームに合わせ、自動運動を行った。膝屈伸運動は0°から120°の範囲で10回行い、その中5回を測定対象として解析した。センサの出力は信号処理ボックスを解してPower Lab(ADInstrument)に転送し、パーソナルコンピューターに取り込んだ。取り込まれたデータはデータ解析ソフトChartにて解析した。サンプリング周波数は4000Hzとした。得られた角速度データを一次積分することで角度変位を算出した。パラメータとして以下を求めた。膝伸展運動において、(1)膝屈曲80度時の回旋角度を0°とし、膝関節屈曲70°から10°までの相対的な脛骨回旋角度(外旋+、内旋-)、(2)最大外旋角度とその時の膝屈曲角度、(3)最大外旋角速度とその時の膝屈曲角度を求めた。【結果】膝伸展運動に伴い(1)膝屈曲80°:回旋0°、70°:1.4±1.1°、60°:3.0±2.0°、50°:4.9±2.2°、40°:6.9±2.3°、30°:7.8±2.7°、20°:8.7±3.4°、10°:7.5±3.9°であった。(2)最大外旋角度は9.3±3.3°、その時の膝角度は22.0±7.1°であった。(3)最大外旋角速度は67.6±21.7°/secでその時の膝角度は59.7±15.1°であった。  【結論】一般的に膝伸展運動では最終域で外旋がおこるとされているが、今回の結果では膝伸展に伴い、外旋角度は大きくなり、屈曲約20°付近で最大となり、その後、伸展するに従い外旋の減少が認められた。今後、膝関節疾患での膝伸展運動に伴う脛骨回旋運動を明らかにする必要がある。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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