理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: DO040
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骨・関節疾患(整形外科疾患)
The Timed“Up & Go”Test改訂版による変形性膝関節症患者のパフォーマンステストの試み
*松岡 繁生近藤 志保川辺 直子石川 理佳日高 正巳齋藤 圭介小幡 太志佐藤 三矢弓岡 光徳横田 忠明石川 誠小寺 正人中冨 豊平上 二九三
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抄録
【目的】The Timed“Up & Go”Test(TUG)は、立ち上がり、歩く、向きを変える、腰掛けるという動作で構成されている。しかし変形性膝関節症患者(膝OA)では膝の屈伸時痛、立ち上がり時痛、歩行開始時痛、階段の昇降時痛が問題となり、膝OA特有の動作障害をより反映させたパフォーマンステストで評価する必要がある。そこで治療台に5分間以上の長座位をとった後、端座位から足底を接地し、立ち上がり、3mの歩行中に高さ10cmの台を昇降する動作を盛り込んだTUGのOA版(TUG-OA)を考案した。本研究では、このTUG-OAの有用性を検討することをねらいとし、医学的属性、機能障害、能力低下との関連性をTUGとの比較から検討することを目的とした。【方法】対象は外来通院している膝OA33例(男性5例、女性28例、平均年齢75.1±7.9歳)であった。調査項目として医学的属性は、BMI、発症後期間、X線によるFTA立位とFTA臥位および重症度分類とした。機能障害は、MMTによる伸展筋力と屈曲筋力、伸展と屈曲のROM、5段階評定による疼痛強度とした。能力低下は、日本整形外科学会OA膝治療成績判定基準(JOA得点)とその中の疼痛歩行能と疼痛階段昇降能の各得点、装具は杖の使用有無、老研式活動能力指標(TMIG)ならびに運動能力指標(Kinugasaら、1995年)とした。解析では、TUGならびにTUG-OAについて級内相関係数(ICC)を算出し再現性を検討するとともに、各評価項目との関連性をSpearmanの順位相関と対応のあるt検定を用い検討した。【結果】ICCは、TUGが.926、TUG-OAが.940で共に高い再現性が確認された。各評価項目との関連性についてみると、TUG-OAのみ伸展筋力(rs =-.38, p<.05)、屈曲筋力(rs =-.39, p<.05)、疼痛強度(rs=.37, p<.05)、疼痛歩行能(rs=-.38, p<.05)の4項目に相関が認められた。杖の使用有無は、TUG-OA(t=2.50, p<.05)のみ有意差がみられた。一方、TUGおよびTUG-OA共に、 BMI、FTA立位、FTA臥位、伸展ROM、屈曲ROM、JOA得点、疼痛階段昇降能の各項目では相関が認められず、発症期間、X線分類、TMIG、運動能力指標では相関が認められた。【考察】TUG は、治療効果を反映する指標として感度の問題が指摘されていることから、膝OA特有の動作障害を考慮し長坐位から運動を開始する事でより膝の屈伸時痛を強調し、合せて歩行中に台を昇降させる動作をTUGの課題の中に盛り込んだTUG-OAを考案しTUGと同時に適用した。その結果、機能障害の中で筋力と疼痛強度についてTUGでは相関が認められないもののTUG-OAで高い相関が認められた。また能力低下では杖の使用有無と歩行疼痛能でTUG-OAは相関を示しTUGでは相関を示さなかった。このことからTUG よりTUG-OAが膝OAの疾患特異性をより反映したパフォーマンステストである可能性が示唆された。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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