理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: DO442
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骨・関節疾患(整形外科疾患)
変股症における外転筋力の推移
*大迫 信哉山下 導人牛ノ濱 政喜園田 昭彦
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抄録
〈はじめに〉変形性股関節症(以下変股症)及び股関節全置換術(以下THA)等は、構築学的、病理組織学的、外科的侵入時等の多因子による股関節周囲筋、特に外転筋群の機能低下がみられる。近年インプラント、ならびに手術手技の改良により早期荷重、早期ADL獲得の傾向にある。今回THA術前術後の外転筋力の短、中期経過を調査したので術後7年目までの50例50股の経過報告を行う。〈対象・調査期間〉調査期間:H14年5月からH14年10月までの6ヶ月。症例は全て女性50例。原疾患:変股症。平均年齢:67.9歳。手術時平均年齢:63.9歳。術後1年:12例。3年:13例。5年:13例。7年:12例。健常群は全て女性10例。平均年齢:64.2歳。〈方法〉測定肢位は股関節外転10°、足関節外果部でIsometricにて測定。術後1年群、3年群、5年群、7年群の術前後を比較。さらに50症例全てを術前と手術後1年未満、1年から3年未満、3年から5年未満、5年から7年に区分し、比較した。また各々の経過期間を健常群(60歳代)と比較。測定は3ヶ月ごとに計測し、それぞれの群間を比較検討した。〈結果〉単位:(Nm)群間比較)1術前筋力:全ての群において有意差なし。2術後筋力:平均1年群75.8、3年群63.6、5年群72.6、7年群55.9。術後1年群と7年群、3年群と7年群、5年群と7年群とに有意差有り。経過期間比較)平均術前40.12、術後1年未満75.8、1年から3年未満73.6、3年から5年未満72.6、5年から7年55.9、健常群75.8であった。術前は全てに対して有意差がみられた。術後1年未満、1年から3年未満、3年から5年未満、健常群間では有意差はなく、5年から7年では全て有意差がみられた(p<0.05)。〈考察〉今回、変股症に対する外転筋力の推移を検討した。術前から術後5年間は筋力に差はなく、5年から7年で有意な差が生じた。また健常群との比較においても同様の結果であった。術後1年ではトルク値が最大値を示し、その後5年まで変化なく経過し、術前レベル以上ではあったものの、5年以降低下する傾向がみられた。蟹江によると、術後筋力は約2年まで上昇して、その後低下すると述べている。当院では入院期間3ヶ月でプログラムを行っているが、退院時において杖歩行レベルは若干名のみで、十分な結果が得られている。今回の調査において術後1年で筋力が健常者と同程度に達し、その後5年間にわたり筋力が健常群と同様の値で維持できたことは蟹江らと比較しても満足のいく結果となった。また術前より術後5年まで有意差がなかったことは、5年後までは50症例全てほぼ同一の経過を辿ると予想することができる。したがって外転筋力推移調査で最大値を示した術後1年までは、筋力強化に最も重要な期間であると共に、他の時期よりも訓練効果の期待できる期間であり、5年以降の筋力低下期間がより注意を要する期間であることが推察できる。今後は引き続き術後1年以内の筋力強化と5年以内のADL指導並びに家庭内訓練の再確認と5年以降の症例の再評価を行っていき、今後の経過を観察したいと考える。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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