理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: DP239
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骨・関節疾患(整形外科疾患)
換気性作業閾値と筋電図積分値より算出した作業閾値に関する考察
最大努力による運動との比較
*由利 真梅本 かほり高田 和哉堀 享一
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抄録
【はじめに】心肺運動負荷試験の呼気ガス分析によって算出された換気性作業閾値(VT)は有酸素運動能力の指標として広く普及している。また、心肺運動負荷試験中の筋電図の計測から得られた積分値が非直線的に増加する点(IEMGT)は、VTと高い相関があることが報告されている。このような変曲点は心肺運動負荷試験の最高負荷強度のおよそ50%前後であるとされているが、この値は短時間に遂行された最大努力による運動強度と比較したものではない。したがって、このような変曲点が、最大努力の運動に対してどの程度の強度であるのかを明らかにすることは重要と考えられる。近年、開発された三菱社製ストレングスエルゴは、ペダリングによる最大努力による運動と運動負荷試験による運動が実施可能である。 本報告の目的は、ストレングスエルゴを用いて最大努力による運動と心肺運動負荷試験によってVTならびにIEMGTを求め、この関係について考察することである。【対象と方法】対象は健常成人男性10名(平均年齢23.2歳)とした。方法は、ストレングスエルゴにて、50rpmでのisokineticによる最大努力の運動を行い、次に50rpmでの心肺運動負荷試験を測定し、同時に一側の大腿直筋の筋電図を記録した。その後、VTとIEMGTを算出した。さらに、最大努力による運動時の仕事量(最大仕事量)、VT検出時の仕事量(VT仕事量)、最大仕事量を100%とした時のVT仕事量の比(%仕事量)を求めた。くわえて、最大努力による運動時の筋電図より得られた積分値に対するIEMGT時の積分値の比(%MVC)を算出した。【結果】VTとIEMGTの検出された時間には有意な相関が得られた。また、最大仕事量の平均値は613.2±88.1[J]であり、VT仕事量の平均値は140.2±30.2[J]であった。くわえて、%仕事量は22.8±3.6%であった。IEMGT検出時の大腿直筋の%MVCは20.3±6.1%であった。【考察】VT検出時の負荷量は、心肺運動負荷試験による最大負荷に対して50%程度であるとする報告が多い。この値は、心肺運動負荷試験における最大負荷量と比較したものであり、純粋な最大努力による運動と比較したものではない。本研究で得られた最大仕事量は数秒間で得られた最大の仕事量である。この最大仕事量に対して低い値でVTレベルの運動が遂行されていることが今研究によって明らかにされた。さらに、大腿直筋の筋活動についても最大努力による運動時の筋活動に対して比較的低い強度でIEMGTが検出されていた。今後さらに詳細なデータを蓄積することによって、有気的、無気的代謝による運動に関する情報が得られると考えられた。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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