理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: HO065
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呼吸器疾患
外来呼吸リハビリテーション教室の紹介と効果についての検討
*辻村 康彦荻原 圭三高田 直也平松 哲夫松本 修一
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抄録

【目的】当院では平成12年度より,外来呼吸リハビリテーション教室(外来呼吸リハ教室)を実施している.今回,教室の紹介とその効果につき検討した.【外来呼吸リハ教室】当教室の特徴は,従来入院にて行われることが多かった呼吸リハ教室を,外来で一定期間のプログラム(18週間)に従って実施することや,1期生につき8人程度の少人数で行うことにある.教室参加者は,当院呼吸器内科外来通院中の,在宅酸素療法を導入されていないCOPDの中から,呼吸器内科医,理学療法士が相談し決定している.教育内容は,疾患の病態生理,呼吸リハビリの意義と効果,呼吸法,呼吸筋トレーニング,運動療法など多岐にわたっている.また,平成14年度より薬剤師,栄養士も参加し,薬や栄養についての講義や服薬状況のチェック,栄養指導・管理を実施するようになり,より包括的となった.教育前後には,肺機能検査,6分間歩行距離(6MWD),呼吸筋筋力測定,運動負荷試験及び呼気ガス分析などの諸検査や,他に,千住らの作成したADL評価表,HRQOLはSt.George's respiratory questionnaire(SGRQ)などの各種チャートを用いて評価を実施し,効果を分析している.教室の最後には終了式を行い,プログラムを終了した者には修了証書を渡している.【対象】今回は,外来呼吸リハ教室の卒業生37人(内訳:Fletcher-Hugh-Jones 2度:8名,3度:28名,4度:1名)を対象とし,アンケート調査,肺機能,6MWD,呼吸筋筋力,SGRQ(Total score)につき検討を行った.統計学的解析にはWilcoxon検定を用い,危険率5%未満を有意とした.【結果】外来呼吸リハ教室についての感想をアンケートにて調査した.1.外来呼吸リハ教室を受けてみて,の質問には,病気が理解できた,息切れが減った,仲間ができ心強いなどの意見が多く全員が満足していた.2.今後も継続したいか,の質問には全員が続けたいとしており,リハビリに対する意欲の高さを認めた.諸検査による教育前後の比較においては,肺機能は有意な改善を認めなかったが,6MWD 427.8±13.1mから472.6±11.9m(P<0.0001),PImax 75.5±4.2cmH2Oから86.8±4.2cmH2O(P<0.0001),SGRQ(total score)35.6±2.3から30±2.5(P=0.0007)と有意に改善していた.【考察】外来呼吸リハ教室は,患者間の情報交換の場となり,仲間意識を高め,精神安定やリハビリへの意欲向上などによい影響を与えると思われた.また,少人数で実施することで,きめ細かなフォローが可能となり,このこともよい結果につながったと思われる.教育・治療内容に関しては,諸検査の結果より必要十分なものと考える.以上より,外来呼吸リハ教室は機能面における向上のみでなく,精神面における向上も十分期待できることが認められ,その有効性が示唆された.

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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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