理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: HP600
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呼吸器疾患
特発性肺線維症患者の最大酸素摂取量および6分間歩行距離に関与する諸指標の検討
*渡辺 文子小川 智也谷口 博之近藤 康博西山 理
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抄録
【目的】特発性肺線維症患者を対象に最大酸素摂取量(以下peakVO2)と6分間歩行距離(以下6MD)に関与する諸指標を検討した.【対象と方法】対象は当院呼吸器内科通院中の特発性肺線維症患者41例,年齢64.1±1.3歳,VC 2.5±0.1(76.6±2.6%),FEV1 2.0±0.1(83.3±3.0%)である.自転車エルゴメーターによる漸増運動負荷試験(CHEST社製,CENTAURA-1)と6MDを行った.漸増運動負荷試験のプロトコールは,厚生省呼吸不全班により作成された標準法に従い,運動負荷量を0 Wattから開始し,1分間に10 Wattずつ増加させ, symptom limitまで検査を行い,酸素摂取量(VO2)などを測定した.その他の評価項目は肺機能検査,大腿四頭筋筋力はCybex 350:Lumex社を用い、角速度60deg/secにおけるpeak torque を測定した.呼吸筋力はCHEST社製, Vitalopower:KH-101でPImax・PEmaxを測定した.呼吸困難はBaseline dyspnea index:BDIを使用し,HRQOL評価はSt.George's respiratory questionnaire (SGRQ:京大胸部研,西村浩一訳)を用いた.【結果及び考察】漸増運動負荷試験においてpeakVO2は892.8±49.0ml/min(52.8±2.4%)であった. peakVO2は単相関で6MD(r=0.61,P<0.0001)と有意に相関した.peakVO2は単相関で,VC(r=0.79,P<0.0001), IC(r=0.677, P<0.0001),TLC(r=0.64, P<0.0001),FEV1(r=0.77, P<0.0001),DLco(r=0.64, P<0.0001),PEmax(r=0.48, P=0.0012),大腿四頭筋筋力(r=0.62, P<0.0001),peakVO2時の死腔換気率(r=-0.43,P=0.0049)や動脈血液ガス分析によるPaO2(r=0.33,P=0.0328) も有意に相関した.6MDは518.8±16.5m(106.4±3.3%)であった.6MDは単相関で,VC(r=0.55,P=0.0002),IC(r=0.42,P=0.0057),TLC(r=0.33, P=0.0373),FEV1(r=0.54,P=0.0002),DLco(r=0.51, P=0.0005),PEmax(r=0.34,P=0.0283),大腿四頭筋筋力(r=0.44,P=0.0035),PaO2(r=0.35,P=0.0262) も有意に相関した.またBDI (r=0.47,P=0.0017)やSGRQ Total score(r=-0.44,P=0.0041)も有意に相関した.Stepwise分析ではpeakVO2の説明項目は大腿四頭筋筋力,VC,死腔換気率(R2=0.75,P<0.0001)であった.一方,6MDの説明項目はVC,TLC,BDI (R2=0.47,P<0.0001)であった.特発性肺線維症患者においてはpeakVO2と6MDでは説明因子が異なり,肺機能以外にpeakVO2は下肢筋力,6MDは呼吸困難が影響していることが示唆された.
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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