理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: LO426
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スポーツ
膝前十字靱帯損傷に関する検討
スポーツ種目と受傷機転の調査
*今屋 健藤島 理恵子
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抄録
【はじめに】膝前十字靱帯(以下ACL)の損傷にはスポーツの種目と受傷機転が密接に関係している。今回ACL損傷者をスポーツ種目、受傷機転で分類した結果、若干の知見を得たので報告する。【対象と方法】対象はACL初回受傷後H7年4月からH14年9月までに当院にて半腱様筋・薄筋によるACL再建術を行い、筆者と共同筆者が担当した701名である。調査方法は問診にてカルテに記載した情報から後方視的に、受傷時のスポーツ種目、受傷機転〔コンタクト(以下con)受傷、ノンコンタクト(以下non)受傷、不明(以下?)〕を男女別に調査した。受傷機転の区別は、con受傷は膝にタックルを受けたり、スキーのエッジが引っかかり異常な肢位を強制する等自分の機能で制御できない外力が働いてACLを損傷するもの、non受傷はステップを切ったときなど、人によっては損傷したりしなかったりするものとした。【結果】種目はスキーが最も多く151名;21.5%(男con52名non24名?2名,女con41名non29名?3名)、次にバスケットボール(バスケ)131名;18.7%(男con8名non23名?1名,女con22名non74名?3名)、サッカー128名;18.3%(男con40名non65名?5名,女con8名non10名)と続き、以上の3種目で全患者の約6割を占めていた。以下、バレーボール49名;7.0%(男con2名non6名?1名,女con4名non34名?2名)、アメリカンフットボール(アメフト)35名;5.0%(男con20名non13名?2名)、柔道24名(3.4%;男con17名non5名?2名)、ハンドボール(ハンド)18名;2.6%(男con1名non6名?1名,女con3名non7名)、事故17名;2.4%(男10名女7名)、バトミントン17名;2.4%(男con1名non3名,女non13名)、ラグビー17名;2.4%(男con9名non6名?1名,女con1名)と続いた。【考察】今回の結果から性別でみると、男性は同じコンタクトスポーツでもアメフト、柔道、ラグビーではcon受傷が多く、サッカー、バスケではnon受傷が多かった。特にコンタクトスポーツであるサッカーでnon受傷が多かったのは我々の予想に反しており興味深い。ほとんどが急激な切り返し動作時に受傷しており、サッカーはステップ系の動きが頻繁に行われているからだと思われる。女性はコンタクトスポーツ、ノンコンタクトスポーツに関わらずスキーを除く全ての種目でnon受傷の方が多く、全体で見るとnon受傷はcon受傷の約2倍にみられ女性のACL損傷における特性として考えられる。ACL損傷を受傷機転で考えるときスキーは特殊であり、受傷の状況として板のエッジが雪面に引っかかり強い回旋力が膝に加わる時に受傷する事が多いためcon受傷とした。よってノンコンタクトスポーツであるがcon受傷がかなり多かった。その他、近年競技人口の増えているスノーボードは予想よりACL損傷は少なかった(9名;男6女3)。これはスキーと比べ両足が板に固定されている為、一側の膝のみに回旋外力が加わりにくくなっていることが関係しているのではないかと考えている。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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