理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: LO432
会議情報

スポーツ
アキレス腱皮下断裂者の足関節可動域に関する報告
*内村 公平山下 導人園田 昭彦牛ノ濱 政喜
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
≪はじめに≫アキレス腱皮下断裂に対する後療法は、患肢足関節可動域の改善・正常化、下腿三頭筋を中心とした患肢の筋萎縮改善・筋力強化、再断裂予防の三点に集約され、如何にして受傷前日常生活・スポーツ活動等に正常復帰させ得るかである。今回、アキレス腱皮下断裂者の足関節可動域推移に着目、また、アキレス腱反射と筋力の関係について多少の知見を得たのでここに述べる。≪対象≫平成10年3月から平成14年7月まで、腱縫合術施行されたアキレス腱皮下断裂者、男性13例、女性14例、計27例。受傷側、右側12例、左側15例、受傷時平均年齢45.5歳(14から79)。フォローアップ期間術後14.7週。≪方法≫_丸1_膝関節伸展位足関節自動底背屈可動域を、術後4週から13週まで経時的計測を行い、患肢足関節可動域(背屈角+底屈角)を健側と比較_丸2_アキレス腱反射出現時期_丸3_片側calf raise獲得期間について調査した。後療法は、当院アキレス腱縫合術後プログラムに順じた。≪結果≫_丸1_足関節可動域(健側比%):術後4週25.4(36.3%)、5週40.4(57.6%)、6週48.1(68.7%)、7週53.5(76.5%)、8週57.4(82.0%)、9週60.0(85.6%)、10週62.6(89.2%)、11週64.6(92.0%)、12週67.2(95.7%)、13週68.9(98.0%)、健側角70.3_丸2_アキレス腱反射出現時期:6.2週_丸3_片側calf raise獲得期間:11.7週。正常化に要した期間:11.9週。≪考察≫腱縫合術後4週間で可動域訓練開始、可動域推移について経時的計測を行った。術後4から6週に著明な改善を認めた。この時期の腱修復過程は、4週より腫脹消退、腱癒合も強度を増し、周囲の癒着も吸収され、5週より長軸方向に並列したcollagen fiberは成熟度を増し、周囲のfibrous sheath間で、多少滑動可能となり、徐々に正常腱に類似した構造を示すようになる。これらの時期がほぼ一致したことは、腱の生理学的回復と可動域改善時期に関係あることが示唆される。また、筋力低下・腱損傷等により腱反射の低下・消失を認めると推測したが、腱反射と片側calf raise間に相関なく、腱反射出現時期と可動域正常化期間においても相関認めなかった。しかし、腱反射出現時期、及び、その同時期の足関節健側比において相関有した(r=0.77、p<0.01)。また、腱反射出現時期は腱修復時期にほぼ一致し、腱反射と腱修復過程については相関あることが予測された。今回の調査で、足関節可動域・アキレス腱反射・腱修復状況間に、なんらかの関係があると示唆された。しかし、実際の腱修復状況・筋力推移を追えなかったため未だ推測の域を出ない。今後、断裂腱の修復状況・腱生理学・腱反射メカニズム等考慮し、症例数を増やしアキレス腱断裂後の治療に役立てたい。
著者関連情報
© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top