理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: NO545
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測定・評価
最大随意性等尺性収縮時における下肢片脚伸展筋力と下肢単関節筋力の関連性
*野崎 寛子橋場 貴史宮地 知世浦田 恵洲崎 俊男青木 正典立野 勝彦
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キーワード: CKC, OKC, 等尺性収縮
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抄録
【はじめに】Closed Kinetic Chain(以下;CKC)とOpen Kinetic Chain(以下;OKC)の関連を膝関節筋力と比較検討した報告は多いが、股関節及び足関節を交え全体的に比較した報告は少ない。今回、最大随意性等尺性収縮(以下;MIVC)時において下肢片脚伸展筋力と股・膝・足関節筋力を測定し若干の知見を得たので報告する。【対象】健常者女性25名で,平均年齢21.6±1.6歳、平均身長158.5±4.8cm,平均体重52.3±6.0kgであった。【方法】測定を始める前にウォーミングアップとしてエルゴメータを20Watt・60から70回転/minを5分間行い、対象筋群に対して各々20秒間のストレッチを行った。筋力測定機器はBIODEX SYSTEM3を用い、下肢伸展筋力及び単関節筋力を以下に示す肢位において無作為にMIVC下5秒間を2回測定し、片方の最大値を採用した。測定前には十分に収縮(練習)を行ってから測定した。CKC測定肢位は1:股関節(;股)50゜膝関節(;膝)90゜足関節(;足)0゜、2:股45゜膝60゜足0゜、3;股35゜膝45゜足0゜、4;股30゜膝30゜足0°の4肢位を選択した。OKC測定肢位は、CKCと筋張力を一定にするため、股伸展筋力は50、45、35、30゜、膝屈伸筋力は股50゜・膝90゜、股45゜・膝60゜、股35゜・膝45゜、股30゜・膝30゜、足底背屈筋力は0゜で測定した。各運動項目では、できる限り代償が入らぬよう骨盤、体幹等十分な固定を行った。各運動項目間の休憩は40秒以上入れた。統計処理は、CKCにおいてPeak forceに対し、Peak torqueに換算するため、定数2.6181で除して比較した。各CKC及びOKCの群間においては、One-way ANOVAを用い、多重比較はScheffeを選択し有意水準5%とした。また、各CKCとOKC筋力の相関性をみるためにPeason相関係数を算出し検定を行い有意水準は5%とした。【結果及び考察】 CKCの角度別Peak torqueは股30゜膝30゜足0゜で最大値を示し、股・膝角度が増加するにつれ減少する傾向を示した。OKCの角度別Peak torqueは、股伸展は膝45゜で最大値を示したが群間の有意差は認められなかった。膝屈筋力は股30゜・膝30゜で高値を示し、角度が増加するにつれ、トルクが減少する傾向を示した。膝伸展筋力は 股45゜・膝60°で最大値を示し、この角度を境に減少する傾向を示した。CKCと各OKC筋力の相関性においてr=0.08から0.32と全てにおいて相関関係が認められなかった。また、偏相関係数もほとんど変化はなかった。相関係数の検定ではCKCと各OKC筋力の間に相関関係が示すことができなかった。今回の結果から、多関節運動は、力学的に単関節運動の単なる物理的な組み合わせではないことが説明できた。また今回2関節筋を主体に測定したため、今後、筋電図学的な検討が必要である。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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