理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: NO857
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測定・評価
3軸加速度と三次元動作分析システム機器の比較
脳卒中片麻痺患者の立ち上がり動作による検討
*小林 美保子鏑木 誠湯地 忠彦東 祐二藤元 登四郎関根 正樹塚本 壮輔田村 俊世
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抄録
【はじめに】通常動作分析では客観的評価として三次元動作分析を用いる事が多い。我々は本学会で動作分析や装具クリニックなど3軸加速度によって、運動情報をリアルタイムに得る事ができることを確認し、客観的評価においても応用が可能であることを報告した。また、今回は3軸加速度測定が三次元動作分析と同じように客観的評価を行えるか立ち上がり動作を用いて比較検討した。【対象・方法】対象は当院入院・外来通院中の片麻痺患者9例で右片麻痺6名、左片麻痺3名、平均年齢68.5±7歳、平均罹患期間34.5ヶ月、下肢Br.stage III 6名・ IV 3名であった。なお本研究は当院倫理委員会の承認を得て全ての対象者にインフォームドコンセントが得られた後実施した。立ち上がり動作は端座位から立位保持までとした。加速度システムは、加速度センサユニット、マルチテレメーターシステム、パーソナルコンピュータで構成され、ビデオフォーマッタを付加する事で動作遂行時での映像と加速度信号をスパーインポーズし両者を比較する事が可能である。サンプリング周波数は256Hzで加速度装着部位は頭頂部・第2腰椎とした。同時計測として三次元動作分析(アニマ社製MA-2000)はサンプリング周波数60Hzでマーカは基本前額面上である耳垂・肩峰・大転子・外側膝裂隙・外果・第5中足骨に装着し2台のカメラから画像をコンピュータに取り込み得られたデータを三次元座標値に変換し各マーカの移動軌跡を解析した。そして両計測法で得られた立ち上がり動作データを比較した。【結果及び考察】3D計測を標準として加速度波形を比較した結果、同等の精度で加速度測定から動作軌跡を表すことが可能であった。片麻痺患者の立ち上がり動作の特徴として重心移動が困難で平衡機能が低下している事が多く、動作習得までに時間を要し問題点の抽出も主観的評価に頼る事が多かった。得られたデータより片麻痺患者の立ち上がり動作は重心移動に時間を要しバランス機能が低下している事が確認できた。また加速度計では装着部位での細かな運動情報をリアルタイムに表示でき、客観的な問題点の抽出が容易であった。以上の事より加速度計測は3D動作解析のように詳細な身体全体の遂行状況は確認できなかったが、装着が簡単で運動情報を客観的評価としてリアルタイムに表示できる事で評価手段として可能であると考えられる。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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